「あり…がとう…」
ちゃんと伝わっているだろうか。
本当に感謝していること。
顔に感情があまり出ない、うまく言葉にできない。
そんな私のことを友達だと言ってくれたその子は、きっと優しいのだろう。
「ポニーテール似合うね!おそろい!」
あのとき、結さんにヘアゴムを貸してもらわなかったら、
私はきっと後悔していた。
渚先輩。
私は命を大切にできたのでしょうか。
「…おそろいですね」
自然と頬が緩んだ。
「あ、山田さんこれ!」
そう言って差し出されたのは…
え?
猫耳…?
……は?
「…なんですか、これ」
「青団はこれつけてダンスするって言ってたじゃん!」
…嘘でしょ
「そんなの聞いてませ_」
「はいっ、かわいーっ」
頭の上に何か乗っている感覚…
「山田さん猫めっちゃ似合うねーっ」
サーっと血の気が引いていくのが分かった。
………夢であってほしい
夢であれ。
「あっ、みんな並んでるっ行こ!」
「え、わっ」



