渚先輩、好きってなんでしょうか?




「結さんは菅原のファン?で、菅原のことになるとあんな風になるんです」



「先輩は見るの初めてですよね」



「でも推しだって言ってたのに…まさか恋愛感情で好きだったとは…知らなかったんですけど」



もしかしてそれは私が恋とかそういうのに疎いだけ…?




「…ぶっ…あはははっ」



先輩は突然大きな声で笑い始めた。



「やばいっ…おもしろすぎ」



先輩は目に涙を浮かべてまで大爆笑している。



「…ふっ…」



なんだかそんな先輩を見ると、私まで面白くなってくるじゃないですか。




「まぁっ…結が幸せそうだからいいか…」




先輩はそう言うと、いつもの席にドカッと座った。



そしてパンを美味しそうに食べ始めた。



…うまそう



私も席に座ってご飯を食べる。



「………」



ふたりだけになると、生徒会室はシーンと静かになった。



生徒会メンバーのわちゃわちゃした空気も嫌いじゃないけど、この沈黙も不思議と嫌いじゃない。



先輩といるとホッとする。




「……ポニーテール、自分でやったの?」



…そういうの、気づくんだ



「結さんにお願いしました」



「…ふーん、」




「可愛いね」




優しい低音が耳に響く。




“ 『心花ちゃんの恋ばな❤️』 ”




…結さんが変なこと言うからだ