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「………」
「…ココさん」
先輩が手のひらを私に向けてへらっと笑った。
…すごい手汗…
「…お疲れ様です」
_パチン
私は先輩の手に自分の手を合わせた。
気づけば窓の外はすっかり真っ暗になっていた。
…うわ…
帰りたくなくなるくらい真っ暗。
いっそここに泊まりたい。
ここで暮らしたい。
「…ふぅー…」
いつもならすぐ帰る支度を始める先輩も、今回ばかりは疲れたのか、動く気配がない。
「…さー、帰ろっか…」
「そう言いながらも、全く動いてないですよ…」
「ココさんもね」
先輩は前髪を止めていたピンを取ると、やっとリュックを手に取った。
ふわふわの前髪が揺れて、元の位置に戻ると、癖がついたのかピョンッとはねている。
私はそれを、机に顔を乗せながら見ていた。
…気づいてない
「…ココさん帰るよー」
ぼーっとしているうちに、先輩は電気を消すぞと言わんばかりにボタンに触れていた。
「……はーい…」
重たい体を動かして立ち上がると、リュックを背負った。
職員室に鍵を返しに行くと、先生がお疲れ様と言って微笑んだ。
鍵を返しに行くと言っても、鍵を持っているのは先輩で、私は一緒についていくだけ。
先生と話すのがめんどくさくて、先輩の後ろにヒョイッと隠れた。
渚先輩と…あと、生徒会の人以外と話すのは、私にとって面倒だから。
先輩は丁寧な言葉で先生と話をしてから、やっと職員室のドアを閉めた。
…やっぱり先輩は真面目



