自分で髪をくくったことがないし、でもそんなことを言っても困らせるだけだし、
ヘアゴムだって持ってないし、
ぐるぐるといろんなことを考えていると、結局たどり着くのは、
……面倒くさい
こんなんだから私は、ひとりぼっちなんだと思った。
「私はいーよ、面倒くさいから」
シーンと教室が静かになった。
嫌な雰囲気に包まれて、コソコソと嫌な音が聞こえる。
「…あ、…そっか…」
気まずそうに俯くその子を見て、言う言葉を間違えた、そう思った。
でも気づいた頃にはもう言ってしまった後で、もう時間は戻らない。
…やってしまった
また失敗した。
またうまく話せなかった。
また言う言葉を間違えた。
私は勢いよく教室を飛び出した。
嫌われた、みんなに嫌われた。
「………」
柄じゃないな。
こんなのいつものことなのに。
勢いよく教室を飛び出したりして、柄じゃないな。
きっといろんなことが重なって、少し疲れた。
つまらない話を聞いてほしい。
でも渚先輩の言葉の意味が今も分からない。
…どうしよう、どうしよう、
どうしよう。