渚先輩、好きってなんでしょうか?




制服から団シャツに着替えるため、女子は6組、男子は5組とわかれ、6組には女子だけとなった。




その時、クラスでムードメーカー的な存在の女子が黒板の前に立って大きな声を出した。




「ね、6組の女子みんなでポニーテールしない?!」



…ポニーテール?



「えっ、それめっちゃいーじゃんっ」



「わたしショートなんだけど?!はみご?!」



「ショートの子は…ハーフアップとか…ちょんまげとか?…とにかく頑張れっ」



「は?ちょんまげってなんだよっ…よっしゃ!がんばるわっ」




…まずポニーテールってなんなんだろう




皆が髪を結び始めている中、私は一人ポツンと席に座っていた。




もうすでに青シャツに着替え終わっているし、グラウンドに出ていようかな。




皆で何かやるのとか、私には面倒だ。




私は毛先が肩につきそうなくらいの長さで、昔からあまり髪をくくったことがない。




だからヘアゴムだって持ってきていないし、私は参加しないでおこう。




そう思い席を立った時、ムードメーカーである女子に話しかけられてしまった。




「あれ?!山田さんもやろーよ!」



一人の女子がそう言えば、私の方にたくさんの視線が集まる。



そして私はこうやって目立つのが、



……苦手だ