渚先輩、好きってなんでしょうか?




°*。°*。°°*




体育祭当日、私はいつもより随分と早く家を出た。



「あ、こーちゃん遅い!」



生徒会室に入ると、菅原がムッとした顔でそう言った。



まだ集合時間10分前なのに、


すでに私以外のメンバーは集合していた。



「すみません」



…みんな早い



「おはよう、ココさん」



渚先輩は、今日も穏やかな雰囲気をまとっている。



一瞬だけ昨日のことを思い出したけど、すぐに頭の中から消した。



…どうして今思い出すの



「…おはようございます」



なぜか渚先輩から目を逸らしてしまった。



「おはよう心花ちゃん…後で海くんの話、聞いてほしいの」



席に座ると、隣からこそっとそんな声が聞こえてきた。


もちろん結さん。



…また菅原…



「はーい…」



少し面倒だけど、いつも話の内容が面白いのでよしとしよう。



全員がそろったところで、渚先輩はガタッと椅子から立ち上がった。



その姿はやる気に満ち溢れているように見える。



…気合い入ってるな…



「よし、みんなそろったからミーティング始めるよ」



ホワイトボードの前に立つ先輩は、こほんと咳払いをひとつ。



ホワイトボードには、ずらーっと文字が並んでいて、


つまり、これが今日の私たちのお仕事だ。



「…うわ」


あまりの多さに、無意識に声が出る。