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体育祭当日、私はいつもより随分と早く家を出た。
「あ、こーちゃん遅い!」
生徒会室に入ると、菅原がムッとした顔でそう言った。
まだ集合時間10分前なのに、
すでに私以外のメンバーは集合していた。
「すみません」
…みんな早い
「おはよう、ココさん」
渚先輩は、今日も穏やかな雰囲気をまとっている。
一瞬だけ昨日のことを思い出したけど、すぐに頭の中から消した。
…どうして今思い出すの
「…おはようございます」
なぜか渚先輩から目を逸らしてしまった。
「おはよう心花ちゃん…後で海くんの話、聞いてほしいの」
席に座ると、隣からこそっとそんな声が聞こえてきた。
もちろん結さん。
…また菅原…
「はーい…」
少し面倒だけど、いつも話の内容が面白いのでよしとしよう。
全員がそろったところで、渚先輩はガタッと椅子から立ち上がった。
その姿はやる気に満ち溢れているように見える。
…気合い入ってるな…
「よし、みんなそろったからミーティング始めるよ」
ホワイトボードの前に立つ先輩は、こほんと咳払いをひとつ。
ホワイトボードには、ずらーっと文字が並んでいて、
つまり、これが今日の私たちのお仕事だ。
「…うわ」
あまりの多さに、無意識に声が出る。



