「…ごほっごほっ…はぁ…」
とりあえず吸入器…
「ここで待っててください」
私は走って吸入器を取りに行き、先輩にそれを渡した。
「…ごめんね、ありがとう」
先輩はそう言うと、へらっとした笑顔で笑った。
だんだん先輩は落ち着いてきて、放課後の静かなベンチに沈黙が流れた。
「……今日はつまらない話しないの?」
沈黙をやぶったのは渚先輩。
「…した方がいいですか」
「なんか今、聞きたいかも」
ふーん、珍しい。
じゃぁずっとムカついていたことを聞いてみることにしよう。
「じゃぁ…」
「先輩はいつも、どうして私が怒ってるのに笑うんですか」
これは本当にいつも思う。
だって私が怒ってるのに笑うとか失礼すぎませんか。
私がそう聞くと、またしばらくの沈黙が流れた。
…なんで黙るの
不思議に思い、私は先輩の方へ顔を向けた。
すると、目が合って「ふっ」と笑われてしまった。
は?!
今、笑うところありました?!



