渚先輩、好きってなんでしょうか?



…推理勝ち…



渚先輩はそう言った。



このハートのストラップを探すための推理ってこと?



「ココさんが図書室に行った後、俺も読んだんだ」



「花宮さんの手紙」



…先輩も



別にそれは不思議なことではない。




同じ生徒会のメンバーで、渚先輩は生徒会長なのだから、生徒会ボックスの中身を確認するのは別に不思議なことではない。




ただ先輩はあのとき、皆とゲームをするという話で一緒に盛り上がっていたはず。




「…皆とゲームしてたんじゃないんですか」




「したよ。それでふたりが帰った後、ふと目について、久しぶりに生徒会ボックスの中身を見てみようと思って、それで見つけた。」



「手紙には一度開けられたあとが残っていたから、すぐココさんだって気づいたよ」



「結さんや菅原かもしれないのに」



どうして私だって、すぐに分かるんですか?



「…みんなの癖だよ」



癖…?



「花宮さんの手紙にはお花のシールがついてあったでしょ」



「…はい」



「まず、海は生徒会ボックスに手紙が入っていたら真っ先に俺に相談してくるはず、後あまり生徒会ボックスを見ない」



「それに結は一度手紙を開けたら、もう閉じないっていう癖がある」




「つまり、花宮さんの手紙を開ける際にはがしたシールを、もう一度つけるか、つけないかで判断したってことですね」



…渚先輩らしい推理ですね



渚先輩はゆっくりと頷いた。




「きっとココさんは今、ハートのストラップを探してる」



「そう思ったから俺も参加した」




…図書室以外にあったなら、私とぶつかった時に落としたんじゃなかったんだな



冷静になれば図書室以外も探すべきだった。