「あ、二人ともどこ行ってたの?」
生徒会室に戻ると結さんがそう言った。
隣には菅原もいて、これで生徒会メンバーが全員集合。
「ちょっと寒かったから外出てたよ」
あ、そうだ。
冷房の温度設定が17度になってて、真面目な渚先輩が命の危機だったことを菅原に注意しなければ。
「すがわ_」
「かいちょ~!俺とこのゲームしません?!」
私の声はバカ元気な菅原の声に消されてしまった。
「なになに?」
菅原と話している渚先輩は、迷子になった小さな子供に話しかけるような、優しい声だ。
…温度設定を…
楽しそうにゲームの説明を始める菅原。
…それを見守る渚先輩
それを見ていると、注意する気がなくなってきた。
「心花ちゃん、ちょっといい?」
私が小さくため息をついた後、いつの間にか隣にいた結さんが小さな声でそう言った。
なにやら、真剣な表情をしている。
…なにかあったのかな
「はい」
次の言葉を待つように、結さんをじっと見つめた。



