「…ココさん」
「……暑い…」
私が窓の外をじっと見つめていると、隣からそんな弱々しい声が聞こえてきた。
そりゃそうだ。
理由は夏なのにセーターを着ているから。
はやく脱げばいいのに…
私が不思議に思っていると、渚先輩が眉を下げて笑った。
その笑顔は、なんだか少しだけ困っているように見える。
…?
「…セーター脱ぐから……手を…」
…手
自分の手に視線を向けると、渚先輩の手とぎゅっと繋がれていた。
あ。
その瞬間、渚先輩の手をパッと離す。
「……すみません」
一応謝ったけど、渚先輩の目はなぜか見れなかった。
…なんだこの変な空気
それからはお互い喋ることなく、生徒会室へと戻った。



