はい、犯人確定。
「あははっ」
渚先輩はケラケラと面白そうに笑っている。
まぁ、あそこで確認しなかった私も悪いか。
「だから寒かったのか~…っ…ごほっごほっ…」
!!
「いったん出ましょう」
「このくらい大丈夫…って、わっ」
頑固な先輩の手を握って、生徒会室から出る。
…この人…
少しはもっと、自分を大切にしたらどうなんだ。
人のことばっかり考えて、自分の体のことは全然考えてない。
「…ココさんの手、あったかいね」
廊下をふたりでゆっくり歩いていると、渚先輩がのんきにそう言った。
…そういえば、手繋いでたんだった…
ずっと考え事をしながら歩いていたから忘れていた。
…すっかり離すタイミングを逃してしまった
ま、いっか。
別に渚先輩と手を繋いだからといって、何か起こるわけでもない。
「私、体温高いんです」
少しの沈黙の後、ポツリとそう呟いた。
その後、また沈黙が流れた。
でも不思議と嫌じゃない。
夏だから、やっぱり廊下はムシムシして暑かった。
しばらくの沈黙の後、渚先輩は落ち着いた声で言った。
「…それで、つまらない話は?」



