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「……先輩は、好きを知ってるんですよね」




「なら教えてください、私に」




私のこんな言葉から始まった、先輩との「好き」の授業。




私はこれまで渚先輩からたくさんのことを学んできたと思っている。




だからきっとこれも、渚先輩の分かりやすい教えなら分かるはず…なのに、





「…ふぐっ…ふふっ…」




……真面目に授業を受けている生徒を、笑うって失礼すぎませんか?




「…なんなんですか、すごく真面目でしょう?」




私がムッとして言うと、笑いを堪えながら、渚先輩はノートを私に返した。



…本当に失礼だな




恋愛漫画を読んで、きゅんとするセリフをノートに書けって言うから書いたのに。




私は自分が書いたセリフを、もう一度確認してみる。




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きゅんとするセリフ



「俺のたまごやき、ひとつあげる」



理由→食べ物もらえて、嬉しい



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…うん、やっぱりこれがいい




というか、



「いつまで笑ってるんですか」




私はムッと渚先輩を睨む。




すると渚先輩は、私の頭にポンッと手を置いて撫でてくれた。




「ごめん、ごめん」




…まぁ、ゆるしてやろう




「…たまごやきっ…おいしいもんね…」




……は?




「ぜーったいバカにしてますよね?!」





まだまだ、



私が好きを理解するのは、先のようです。





_数日後のふたり.fin_