「……私のつまらない話をたくさん聞いてくれたら、ゆるしてあげます」





「うん、呆れるくらい聞かせてよ」





いつか、私も好きを知ることができたら、



……うん



先輩に無理やりにでも、ちゅーしてやろう。




だって私、ちゅーしていいよって言ってない。



だから私には無理やりする権利がある!




…でもまずは、





渚先輩、たくさん話をしましょう。





「……先輩がいない間、知らない先生に作業を頼まれて大変でした。正直破りたかったです」




「ふふっ…」




「…それに、菅原を怒らせてしまいました」



「えぇ、珍しいね」




こうして渚先輩と話ができるのは、菅原や結さんのおかげ。




だから、




「…ちゃんと、謝ります」




私がそう言うと、渚先輩はゆっくりと頷いた。




生徒会メンバーは、私に大切なことをたくさん教えてくれる。




…それに、





「…私は…生徒会の皆が好きです」





生徒会メンバーを頭に浮かべて、自然と頬が緩んだ。





呆れるくらい毎日、好きなように生きて、




面倒くさくても生きて、




ひとつしかない命の中で、




あと何回、先輩の笑顔が見られるかな。






「渚先輩、好きってなんでしょうか?」


fin. 2021.2.9