渚先輩、好きってなんでしょうか?



生徒会室で作業をしていると、



「あっ、こーちゃん!」



と、元気な声が聞こえてきた。




「あれ?またお仕事ですか?」



「…うん」



「俺も手伝うよ!」



「…ありがと」



菅原は今回も手伝ってくれるらしい。




いつものようにもくもくと作業をしていると、いつもとは違って、落ち着いた声で菅原は言った。




「なんか、こーちゃん元気ない?」



…元気?



そんなの、



「…いつもない」



いつもテンション低いし、いつもこんな無表情な顔。



いつもと変わらない。




「俺には分かるなぁ…こーちゃんの悩み!」



…悩み?



菅原のその言葉を聞いて、不思議に思った。




「悩んでなんかないけど?」



私は別に悩んでなんかない。



私がそう言っても、菅原は話を止めなかった。




「二人に会えなくて寂しいんでしょ」




…なにそれ



そんなの、




「……バカにしてるの」




そんなの、寂しいに決まってる。