渚先輩、好きってなんでしょうか?




次の日の放課後になると、生徒会ボックスの中身をちゃんと見た。



中身は空っぽ。



そんなに毎日事件が起こるわけじゃないから、別に不思議なことではない。




でもここに何かを入れる人は、すごく困っていたり、悲しんでいたり、自分の想いを伝えたりしてくれているわけで、




だからこそ見逃すわけにはいかないんだと、渚先輩は言っていた。




特に何をするわけでもなく、机にごろんと身を預けた。




渚先輩がいつも座っている席。


それをぼーっと見つめていた。



私の隣によく座る結さんの菅原の話。


それを思い出して、ふっと笑った。



菅原は今日、おばあちゃんの家に遊びに行くらしい。



シーンと静かな生徒会室。


なんの笑い声も聞こえない。




今日も授業はつまらなかった。


明日もきっとつまらない。




今日も、クラスメイトに笑われた。


バカにされた。



明日もきっと、そうなのだろう。




次の日も、その次の日も。



慣れたはずの独りが、こんなにも寂しくなるなんて思わなかった




「……面倒くさい」




そう言った声は震えていた。




次の日も、その次の日も、私は独りで生徒会室に通った。




時々、菅原も来て、2人で話すこともあったけど、来ない日もあった。




菅原だって、私ほど暇じゃないのだろう。




今日もいつものように生徒会室に向かっていると、先生に話しかけられてしまった。




しかもまた作業を任された。



…また



自分でやれとも言えず、また私はそれを引き受けてしまったのだ。