「こーちゃん、やっほー!」
ドアが開く音がしたかと思えば、菅原のそんな明るい声が響いた。
「あれ?…お仕事ですか?」
「…あー、うん。知らん人に任された。」
「俺も手伝うよ!」
菅原が手伝ってくれるらしい。
プリントを半分以上雑に取ると、椅子に座った後、机の上にバサッと置いた。
「ありがとう」
ここは素直に甘えておくとしよう。
そこからはほとんど無言で作業を進めた。
基本的に作業をしている間、菅原はとても静かなのだ。
普段あれだけテンションが高いのに、集中しているときはすごく静か。
菅原なりの、仕事モードなのだろう。
私は作業をしながら、渚先輩につまらない話をしたり、寝たふりをしてみたり、
冷静になれば、何をしているのだろう、と自分でも思う。
でも、手は忙しいけど、ずっとそれ以外は暇なのだ。
…それに、渚先輩といると、
つまらない話をしたくなるのだ。



