渚先輩、好きってなんでしょうか?




放課後。



私は廊下を歩いて生徒会室へと向かう。




生徒会室に着いて、ドアを開けようとしたけど、開かなかった。



…鍵がかかってる




…いつも1番に来てる渚先輩が開けてくれてたからか





私は職員室に行き、生徒会室の鍵を手に持った。



誰かに話しかけられる前に、さっさと出よう。




「あっ、生徒会の山田さんよね?」




…話しかけられてしまった




話しかけられないように、さっさと職員室を出る作戦は失敗したみたいだ。




それにしても、



この先生…誰だっけ



というか、話しかけられるの面倒だから止めてほしい。



「…そうですけど」



私がそう言うと、先生は安心したようにホッとした顔をした。




「これ、生徒会でやっておいてもらえないかな?」



渡されたのは、ホッチキスと大量のプリント。



…うわ



「よろしくね」




うちの学校の生徒会は、先生から強い信頼を受けており、



時々こうした少しの作業を任されることも、おかしなことではないのだ。




まだなにも言っていないのに、もう誰だか分からない先生は、どこかへ走って行ってしまった。



きっと忙しいのだろう。




ただ生徒会と言っても、私だってこの学校の生徒だ。



あんまり頻繁に頼まれると疲れる。




生徒会でやっといてって言われても、今は私と菅原しかいないのに。




……はぁ、



そんなこと言ってても仕方がない。





私は生徒会室に戻ってホッチキスでプリントをまとめ始めた。




こうしていると、前に渚先輩と一緒に放課後遅くまで残って仕事してたな、なんてことを思い出した。




終わった後、お疲れ様のハイタッチしたなぁ…




生徒会室に、カッチャン、カッチャン、という音だけが響いている。



静かなのは嫌いじゃない。



だからこういう作業は、私にとっては学校の授業よりましだ。と思う。




てゆうか、菅原はどこへ行ったのだろうか。