渚先輩、好きってなんでしょうか?



このうるさいのは、


1年の菅原 海 (スガワラ カイ)。



肌が黒くて、スポーツ万能男子。



…ただし、身長はミニサイズ



「あれ?ケータイとネクタイと靴下とかばん教室に忘れた~っ」



…そして、バカなのだ



…なんで靴下脱いだのか不明だけど、めんどーだから聞かないでおこう



小さくため息をついた後、ドアを開けた。



「あら、心花ちゃん久しぶり」



一番に声をかけてくれたのは、結さん。



にっこりと可愛い笑顔を向けられ、私も自然と頬が緩む。



「副会長お久しぶりです」



私より少し身長が高い副会長を見上げて言った。



見上げたのは結さんが席を立っていたからで、不思議に思った私は思ったことをそのまま口にした。



「…もう帰るんですか?」



「ううん、ちょっと先生に用があってね」



「あ、そうなんですね、いってらっしゃい」



カバンを椅子の背もたれにかけながら結さんにそう言った。



「いってきます」



「あ、心花ちゃんっ」



一度ドアを開けて出ようとした結さんは、こちらを振り向いて私の名前を呼んだ。



「この前は残れなくてごめんね、二人に仕事いろいろ任せちゃって」


「助かりました。ありがとう」



結さんは、大人っぽい笑顔でふっと笑った。



なんだか頼りにされてるみたいで、少し嬉しい。



「全然大丈夫です」



私はそう言って微笑んだ。



結さんは、にっこりと笑った後、生徒会室を後にした。