クールな彼は私にだけ甘い



「いや、でも悪いし、私家近いから大丈夫だよ!」


「俺が無理だから。早く行くよ」


と言い、私の左手を握って門の方まで歩いて行く。


今、私の心臓はもうバクバクでどうしたらいいかわからないし、恥ずかしくて前を向けない。


結局、家まで送って貰うことした。


「南さん?」


「あ、なに?水瀬くん?」


上を向いて言うと、


水瀬くんが顔を逸らした。


「それ反則ね」


私はなんのことだかわからなかった。