君はロックなんか聴かない

私はまた絵に目を取られる。

「この絵は花形君が描いたの?」

「そうだよ、俺は曲を作る時にまず絵を描くんだ、効率悪いでしょ」

私は声が出なかった。こんな作り方があるのかただ感心した。花形君は歌い続ける。いい曲だ。キャッチーでかつパワフル。転調も綺麗。私にできるだろうか不安だ。

「うん、いい調子だ」パソコンに打ち込んでいく。

「私に出来るかな?」

「うん、出来ると思うよ、歌詞見せてくれる?」

「うん」少しの不安と少しの羞恥心。初めて人に歌詞を見せる。

「あれ、いいフレーズだね、なんか思いつきそう、でもダメだよね」そういいギターを弾き始める。いいリフだ。

「こんな感じでどうだろう」

「え、あ、うん」

「やってみて」

「うん」私はみようみまねでギターを弾き始める、簡単なリフだ。でも懐かしさもありつつ、オリジナリティーのある音だ。

「ここまでかな?全部やっちゃうと俺の曲になっちゃうし」

「う、うんありがとう、忘れないようにメモとるね」私は複雑な感情だった。正直全部作って欲しかったが確かにそれでは私の曲ではない。ここからは私が作らないといけない。出来るだろうか不安だ。しかし今日はまだ終わりでは無い、この目の前にいる天才の全てを観察して吸収させてもらおう。勉強になる事は多い。

「やっぱりパソコンないとダメかな?」

「そんなことないよ、確かに便利だけど、スマホでも十分、俺も最近買ったし」

「そっか、ありがとう」