君はロックなんか聴かない

私は帰宅後メールをすることにした。

「橋本です。こんばんわ」

「花形です、こんばんわ」

画面越しだが緊張する。

「今バンドフェスに向けて曲を作ろうと思っていて相談があるんだけど、大丈夫?」

「うん、大丈夫、何でも聞いて!」

「曲ってどうやって作ってるの?ぜんぜんメロディが思いつかなっくて」

「なるほど、曲作りは難しいよね歌詞は出来てるの?」

「うん何となく出来てるんだけど」

「そっかじゃああとは音をのせるだけだね」

「そっから全く進まなくて」

「ひたすらリフを弾いてみるのはどうだろう」

「リフか」

「そっから降りてくることもあるよ、一緒にやってみる?ちょうど俺も新曲作ろうと思ってたし」

「え、うん、是非」光栄だ。動画サイトじゃちょっとした有名人の花形君と曲づくりを見学できるのは素直に嬉しい。

「じゃあ週末プリプリで集まろう」

「はい、お願いします」

鼓動が高鳴る。何かが生まれる予感がする。楽しみだ。私は今できることをしよう。今の気持ちを歌詞にまとめる。この子達が光を浴びる。ずっと待っていたその瞬間をずっと待ちわびていた。

音楽は産むものなのだ。神々しい。