授業はいつも通り、客観的に見て積極的に取り組んでとは言えないが今日もノートを取り黙って時間が過ぎるのを待っていた。

えみちゃんと目が合う。ニコッと笑う。私もつられて笑う。何もない不思議な一日。

ノートには授業とは別に歌詞を書き連ねている。何日も書いている。びっしりと書いている。バンドフェスに出るのなら、皆んなのようにオリジナルの曲が欲しい。メロディーはなかなか降ってこない。強く穏やかにそしてキャッチーな曲が作りたい。早くギターが弾きたい。焦りは禁物だが、時間は有限だ。久間君に相談してみようかな、少し悔しいけど背に腹は変えられない。

早く音楽をしたい。授業は退屈だ。

チャイムがなる。次は体育だ。正直面倒くさい。

服を着替える。体育館に移動する。

今日はバレーをするらしい。

私は昔から運動が苦手だ、昔から運動神経がいいのは憧れる。最低限参加して誤魔化そう。

えみちゃんたちは楽しそうに参加する。私は端で見学する。

「参加しないの?」久間君が話かけて来た。息が切れてる。首にタオルをで汗を拭き取る。

「私運動苦手だから、久間君はすごいね、昔バレーやってたの?」

「いや、バレーは体育くらいでしかやったことないよ」

「そうなんだ、すごいね、運動神経いいんだ」

「うーん、どうだろう、座学よりは得意だね」