犯人はすぐにわかった。私の同じクラスの高松だった。文化祭の前に一度話しかけ来た男子生徒だった。
「高松くん、なんで私たちの動画を勝手に上げたの?」
「ごめんなさい、あまりにかっこよかったから、他の人にも聞いて欲しくて、何でもするんで許してください、踏みますか?」
「動画は良かったよ、でもなんで一言かけてくれないの?」
「すいません、踏みます?」
「踏まないです」
「でも動画の編集うまいね、何でもするって言ったよね、私たちのPV作ってよ」
「PVですか?僕なんかが、是非作らせてください」
「今度スタジオこれる?」
「はい」
「これ私の連絡先だから登録しといて」
「はい」
そう言って私はえみちゃんの方にいった。
「どうだった?」
「とりあえず悪気はないみたい」
「そう、でも私はちょっと苦手だな」
「でも動画の編集はめちゃくちゃ上手だし、PVの作成頼んでみた、本人はやる気みたいだし」
「PVいいね、本物のミュージシャンみたい」
「なんか楽しそうだね」久間くんが話に入ってきた。
「久間くん、来選ロックフェス出ないの?」
「ロックフェスか、俺は出たいと思ってるんだけどね」
「花形くん?」
「うん」
「そっか、今度話してみていい?」
「花形と?たぶん大丈夫だと思うけど、でもまだ、いや、橋本さんなら大丈夫かも、お願いしてもいい?」
「うん、やってみる」