とりあえずは何となく形にはなって来た。いい曲ができそうな予感はしてる。きっとうまくいく。休憩所で一休みする。ここはエアコンがなくて暑い、でもずっとスタジオにこもっていても息が詰まる、気分転換は必要だ。
「まだ暑いね、夏はいつ終わるんだろうね」
白石さんが缶ジュースを片手に話かけてきた。
「うん、暑いね、夏は嫌いだな、ベタベタするし、セミはうるさいし」
「そうだね、でもプールは楽しかったよ」
「確かに、楽しかった」
「それにバンドも楽しかった」
「そうだね、私もずっと憧れてたバンドができて幸せだよ」
「私もずっとバンドやりたかった、やっと出来て毎日楽しいよ」
「これからも、うん」
「そうだね、文化祭も楽しみだしね、新曲もいい曲だし」
「ひめちゃん達のクラスって出し物何やるの?」
「うちのクラスはクレープをやるらしい」
「そうなんだ、いいね、食べにいくね」
「うん、文化祭は本当に楽しみだな」
「あのさ、聞きたい事があるんだけど」
「うん、何?」
「ひめちゃんって久間くんの事どう思ってる?」
「え、久間くん?別に、何とも、うん」
「そう、好きじゃない?」
「うーん、まあ、ボーカルとしては尊敬してるけど、どうして?白石さん久間くんの事好きなの?」