夕日が眩しい。
「そろそろ帰りますか?」
「うん、ありがとう、文化祭楽しみだね」
「そうだね、楽しみだ」
「じゃあね」
「うん、また明日」
私達は手を振ってそれぞれの家に帰った。
「ただいま」
「お帰りなさい」
私は帰宅すると家族の顔も見ずに部屋に逃げ込んだ。制服のままベッドに沈む。ゆっくり目を閉じる。
音楽は好きだ、でも、どんないい曲でも低評価はつく、まだ経験はないがそれはとても辛いものなのだろう、でもやりたい事覚悟を持たないといけない。不安はあるがやるしかない。花形くんやアイナはどう思ってるんだろう、聞けないけど聞きたい。才能は持っているだけでは意味がない。悔しい。私が才能が欲しかった。最低の妄想だ。文化祭の為に新曲作ろうかな、私は徐にスマホで検索をかけた。花形詩織。検索と同時に複数の写真が出てきた。綺麗な人だ。そこに映る彼女はとてもキラキラして輝いていた。
鬱で自殺。枕営業。いくつか暗い記事も出てきた。本当かどうかは話からいないが酷い記事だ。ストーカー被害ってのもある。今となっては事実かは確認できない。でもこれはあまりにも酷い気がした。これが世に出るってことなのだろうか、私は唾を飲み込む。