子供の頃よく
父方の祖母の家に遊びに行っていた。

祖母の家は階段や廊下は木で出来ており
階段で2階に上がればある一角に祖母の部屋がある。

祖母の部屋には沢山の本があり
古びや本から新しい本までずら-っと大きな
本棚に並んでいる。

その本棚の1番上の1番左だけ少し分厚く
アメリカの本の様な雰囲気がでた赤い本が良く目に付き気になっていた

その日は、祖母の家に泊まりに来ていた。
晩御飯もお風呂も歯磨きも終わり
祖母の部屋に行くともう祖母は部屋に居り。

ベッドに腰を下ろしながらも、あの赤い本を手にしていた。

「はな お婆ちゃん。その本なに?何が書いてるの?」

「日向 其処の扉を閉めて入っておいで。」

部屋の扉を閉めては、お婆ちゃんの近くに近寄れば足元に腰を下ろした。

「此の本はね。色んな事が書かれている本なんだよ。まだ見た事もない人物や動物、動物か人間かわからない物まで描かれてるんだよ」

初めて近くで見た赤い本には、南京錠が付いていた。

表紙が革製で出来ており
表紙には題名も作者も書かれていなかった。

「日向。日向が大きくなったらこの本をあげる」と


祖母は優しく微笑み俺の頭を撫でた。