あんなにちょこちょこ歩いて、人にぶつからなきゃいいけど。

周りが見えてないみたいだし。


後ろを振り返りながらそう思い、佳世ちゃんのところまで戻ろうとした時。


────ドンっ




「きゃぁっ」



「いって……」




お約束っていうか…思いっきり人にぶつかった佳世ちゃん。

しかもお相手は金髪のお兄さん。


あっちゃ~…




「すっ、すいませんっ!」



「いいよいいよ、気にしないで。それより、君は大丈夫?」



「あ、はいっ」




助けに行こうとして、ピタリと足が止まる。

金髪のお兄さんが意外と優しかったから、とかじゃなくて…

………いまの声、どこかで…


俺が少し首を傾げていると、解決したらしい佳世ちゃんがトコトコと俺の隣に来た。




「お待たせしましたっ」



「………う―ん…」



「堤くん?」



「え?……っ」




ハッと我に返ると、佳世ちゃんが俺を覗き込んでて少し後ずさりしてしまった。