「ここじゃなんだし、外、でない?」



「外?」




チラッと目配せすると、周りに座るここに耳を傾けてる人たちが目に入る。

それを見た佳世ちゃんはさらに小さくなって、ボソッと“うん”と呟いた。





      □
「んーっ!やっぱり外がいいね」




外に出た途端、伸びをする俺を見て佳世ちゃんはクスクス笑う。

さっきまでと違って、普段通りの佳世ちゃんだ。


でも、まあ、教えなきゃね。
好きな人がいるかいないか。


……今更な気もするけど。




「とりあえずー…2人になれるとこ行く?」



「、へっ!!!!?」




あぁいう話はやっぱり2人っきりでするもんでしょ。

だから提案したんだけど。

佳世ちゃんはすごい勢いで振り返って、目をぱちくりさせた。




「んー、やっぱ観覧車かなー」



「へっ、堤くん!!?」




2人っきりになれる場所を探しながら、キョロキョロする。


佳世ちゃんは、そんな俺に少し早足でついてくる。

まるでひよこみたいだ。