機嫌直った、って…

そんな5分くらいで直る感じじゃなかったけど…

少し首を捻りながら携帯を受け取り、慎重に耳にあてる。




「凌、ちゃん?」



『何よ?』



「………うわ、ホントだ…」



『は?』




思わずボソッと呟いてしまった。

さっきまで叫んでたのが嘘みたいに凌ちゃんの声は落ち着いていた。

まあ、不機嫌さは多少残ってるけど。


てか……佳世ちゃん、何したの…


のんきに熊にエサをあげている佳世ちゃんを尊敬の眼差しで見る。

そのとき、凌ちゃんが少しイライラしているような声を出した。




『……謙吾?』



「え?」



『だから、佳世のこと頼んだわよ』



「は?」




さっきと言っていることが違いすぎる。

目が点になるってこういうことなのかもしれない。




『あ、変なことしたら殺すから』



「……はあ?」



『じゃ』



「え、ちょ、ま……っ」




───ブツッ

ツーツーツー




いきなり切られて意味が分からず、切られた後にぼーっとしてしまった。