そんな様子が簡単に頭に浮かんで、未だにニヤケが治まらない。

その時佳世ちゃんが思い出したように声を出した。




『あ!今日、華恋に会ったんだよ、ね?』



「へ?あ、あぁ…うん。会った会った」




華恋ちゃんに聞いたのかな……




『華恋、いい子だったでしょ?』



「うん、まあ」



『可愛いよね』



「んまあね」




なぜかまくし立てるように言う佳世ちゃんに相づちをうつ。


まあ、全部最後に

“佳世ちゃんの方がいい”

ってつくんだけど。




『スタイルいいし、私みたいにドジしないし、男の子にはモテモテだよね……』



「………へ?」




佳世ちゃんの口から予想しない言葉が飛び出して、すっごい間抜けな声を出してしまった。


だって、なんかこれって……


佳世ちゃんが華恋ちゃんに嫉妬してるみたいに聞こえたから。

でも念のために気になることを聞く。




「佳世ちゃん、モテたいの?」



『違うよ!』




そうハッキリと答えた佳世ちゃんに、俺はあらぬ期待をかけてしまう。