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「佳世ちゃんに避けられてる……!!!」



「それはオメデトウ」




放課後、俺はひとり寂しく保健室へ来た。

そしてえのチャンに酷い一言を浴びせられている。




「おめでとうって!えのチャン酷っ!!」



「俺には関係ねえしな」




インスタントのコーヒーを飲みながら、えのチャンは淡々と返してくる。




「まがりなりにも保健医だろ!?」



「だから?」



「か弱き生徒の心を治せよ!」



「そんなん…カウンセラー室行ってこい」




足を組み直し、えのチャンはカウンセラー室のある2階を指さした。




「えのチャンの鬼っ!」



「うるせーよ。てか、お前誰か女連れてこいや」



「は?」




いきなり話を変えるえのチャンに眉根を寄せると、えのチャンはのびをしながら口を開いた。




「最近ヤってねえんだよ」



「へぇ………」




俺がシラケた視線を送ると、えのチャンは入り口を指差して言い放つ。




「女がいねえなら出てけ。怪我人とか来るかもしんねえし」




なんだ、この言い分!

“外出中”

の板を外にかけてたじゃんかよ!!!