「鈍感だとは思ってたけど……ここまでとは…」
「……?」
凌はひとりでブツブツ言いながら、頭を抱え込む。
えっと………
「わ、私鈍感、じゃない、よ…?」
「はっ!!!?」
とりあえず否定したくて言うと、凌はさっきよりも怖い顔をした。
カッなんかじゃなくて、クワッて目が見開いた感じ。
「あーもうっ!!!決めた!」
「……へ?」
私をキッと見た凌は、携帯電話を取り出して私に差し出してきた。
「……な、なに……?」
いきなり凌の携帯を渡された私は、どうしていいかわからずにおどおどするばかり。
すると凌は、にっこり笑いながら携帯を指差してきた。
………こ、怖い…
「それ、謙吾のケー番入ってるから」
「堤くん、の……?」
「そ。電話してみたら?」
「ぅえっ!!!!?」
凌の口から発せられた予想外の言葉に私は開いた口が塞がらなかった。