思わずクスクス笑ってしまった俺を見て、佳世ちゃんは嫌そうな顔をする。




「何……?」



「ん?佳世ちゃんは可愛いなーと思って」



「だ、だから!可愛くないってばっ」




ぷいと顔を背けた佳世ちゃんの横顔は、少し火照ってる。

そういうとこが可愛くて、俺の理性がヤバいって気づいてんのかな……


いや、気づいてない、か…



そう考えて、苦笑混じりにため息をついた時、突然後ろからバチンと叩かれた。




「いっ…た……」




恨めしげに後ろを振り向くと、そこにはにこやかに佳世ちゃんの右手を握る秀弥の姿。


………コノヤロウ…




「ひーでーっ!!!!」



「そんな怒鳴ると、お姫様が怯えるってー」



そう言いながら佳世ちゃんに笑いかける秀弥。

佳世ちゃんは慌てながらも、相変わらず頬を染めてるし。


可愛いなー、もう!!!


無意識にそう思った自分が恨めしい。


今は、ヒデから佳世ちゃんを取り返すのが先だってのに!!!