「佳世ちゃん、おはよーっ」



「きゃあっ!!!」




凌ちゃんと秀弥を会わせた次の日の朝、靴箱の前で佳世ちゃんを見つけた俺はガバッと抱きついた。




「つ、堤くん……」



「んー?」




俺の声を聞くと、佳世ちゃんは少し頬を染めながらオドオドと話しかけてくる。




「みんな見てる…んだけど……」



「見せつけちゃえばいいじゃんっ」



「よくないーっ!!」




さらにぎゅっとすると、佳世ちゃんはさらに顔を赤くする。

1ヶ月ぐらい、毎日のように抱きついてるんだけど……

未だに反応が初々しくて、もー……!!!!




「可愛いーっ!!」



「や────っ!!!」



───バチンッ




勢いで頬にキスしたら、思いっきり叩かれた……。

手を出されたのは始業の日以来なんだけど、やっぱり痛い……




「佳世ちゃん酷いーっ!!」



「ひっ、酷くないっ!自分の身は自分で守らなきゃっ」




そう言いながら俺から遠ざかる佳世ちゃんを見てハタとする。


今日は、邪魔がないってことに。