「お邪魔しまぁす」



「どうぞー」




私は今、凌の家に来ている。

台所の方から、すごく美味しそうな匂いがするのは気のせいじゃないよね。


うー、お腹空いた……



グーキュルル…




「……ぷはっ。佳世、お腹空いたの?」



「う……うん…」




最悪最悪最悪──!

お腹の音、すんごく大きかったし!


メッチャ恥ずかしいしっ……




「ご飯、食べてく?」



「うー、お願いしていい…?」



「もち!じゃ、おいでっ」



「ごめんねぇ」




私は頭をうなだれながら、凌についていった。












「あら?佳世ちゃんじゃないっ」



「お邪魔してますー」




リビングに入るとすぐ、凌のお母さんに声をかけられた。




「お母さん、佳世にご飯あげていい?」



「いいに決まってるじゃない。じゃあ、早く座りなさいね」



「はあい。ほら、佳世っ」



「あ、うん。えと、ご馳走になりますっ」




私は、ペコッと頭をさげて既に準備の整ったテーブルの前に座った。