「かっわいーね、佳世ちゃん」




凌ちゃんと佳世ちゃんと分かれた後、秀弥がニヤッとしながら俺を見た。




「可愛いけど……狙うなよ?」




俺がそう言うと、不満そうに唇を尖らせた。




「え───!どうせ、飽きたらポイなんだろ!?」



「だーかーら!佳世ちゃんは特別ってさっきも言っただろ!?」




つうか、飽きるとか有り得ないし。

ちょっと秀弥を睨みつけていると、突然へらっと笑いだした。




「なんちゃって!俺、凌ちゃんでいいし!」



「は?」



「だから!俺、凌ちゃん狙うからよろしく☆」




ごめん、凌ちゃん……


こいつ本気だ…




「ほどほどにしとけよ?」



「もち☆」



「つか、凌ちゃんに惚れたの?」



「ん?凌ちゃん可愛いじゃん」




そして秀弥は妖しく笑った。


こういう時の秀弥は、ただターゲットに決めただけ。



俺は小さくため息をついた。


凌ちゃんの気持ち考えたら……絶対泣くな、と思いながら。