そして一時歩いたとき




「あ、俺ここ曲がるから!」



「俺もー」




と、秀弥君と堤君が言い出した。



「はあい。じゃ、また明日ね」



何も言わない凌に、私がそう返す。




「ん、また明日ね!佳世ちゃんに凌ちゃんっ!!」




ふたりは、そう言うと満足したように帰っていった。










「凌?大丈夫?」



「大丈夫、じゃないかも」




ふたりがいなくなってすぐ、私は黙ったままの凌に声をかけた。


てか




「大丈夫じゃないの!?」



「うん……」




そして凌は言葉を言い終わると同時にはぁ、と大きくため息をついた。




「ね、どうしたの?」



「えと……佳世、時間大丈夫?」



「多分大丈夫だよ?」




そう言うと、凌は言いにくそうにこう言った。




「あの、私んち来れない?」



「へ?」



「だめ……?」



「全然いいよ!!行く、行くッ!」




私には滅多に頼みごとをしない凌が頼みごとしてるんだもん!!


行かなきゃ女が廃るしっ!!