「むぅ…遅いーっ!」




教室で凌たちを待ちだしてからすでに1時間。

未だにふたりとも帰ってこない。

自販機で買ってきた缶ジュースも底をついてしまった。




「外、雨だし……」




堤くんの言うとおり、外は既に暗く、ざーざーと雨が降り出していた。

ただでさえ球技大会で疲れていた体は、精神的にも疲れてきてしまった。




「……凌ちゃん、変なこと考えてなけりゃいいけど」



「変な、こと……?」




少し心配そうに言う堤くんに、わたしは不安になってくる。

そんなわたしから少し視線をそらし、堤くんは小さく息を吐いて口を開いた。




「極端な話、自殺…とか……」



「じさ………っ!!!?」




ガタッと椅子から立ち上がりながら、さーっと血の気が引くのを感じた。

そんな私に驚いたのか、堤くんの椅子もガタッと揺れる。

そして目をパチパチさせている堤くんと目が合う。




「か、佳世ちゃん……?」



「じさ、え、どうし……っ」




あわあわしながらだんだん涙目になってきた私に、堤くんは慌てたように立ち上がって駆け寄ってきた。