「あー…なんかモヤモヤ…」




凌ちゃんに別れを告げた俺は、その足で保健室へ向かう。

凌ちゃんなら別れたくないって言うって思ってたんだけど、な……。

はぁ…と深く息を吐いて思い切り保健室の扉を開けた。




「…んっ……」



「……おい保健医」




開けた瞬間目に入ったキスシーンに、頭を抱えてしまう。

しかも相手は生徒ですか、へー。




「っ、あああ、じゃねっ」



「は?おい、華恋っ!」




俺が声をかけた瞬間、女の子の方は先生を突き飛ばしてバタバタ走って保健室を出て行ってしまった。

俺にペコリと頭を下げたその様子が、なんだか佳世ちゃんを思い出して笑ってしまう。




「てめー秀弥!」



「なんだよ、先生が悪いんだろ?生徒に手出して!」



「あー…うるせぇ」




たった今別れてきた俺にさっきのキスはきついものがあって、少し口調がキツくなってしまう。




「で?なんだよ」




先生はたばこに火をつけながらベッドにドカッと座る。

いつも思うけど、この人……本当に先生?