「凌…大丈夫、かな……」



「んー…そういやあ、凌ちゃんは?」




ふと凌ちゃんの存在がないことに気付き、教室を見渡していると佳世ちゃんがアワアワと口を開いた。




「たしか秀弥くんに……っ」



「は!!!?」




あいつ行動早すぎ……

佳世ちゃんは心配そうに、俺は頭をかきむしってふたりで顔を見合わせた。




「どうしよ…」



「どうもこうもないよ、もう……」




俺たちにできるのは、教室で待つことだけ。

泣いて帰ってくる凌ちゃんを予想しながら、俺は小さくため息をついた。