「はわっ!凌っ!」



人差し指を口元に持ってきて、しーっと言う佳世ちゃん。




「今さら何言ってんのよ」




ごもっとも。

佳世ちゃんが処女っていうのはクラス全員が始業式に知ったわけだし。




「でもでもでも…ねっ!!」



「あー、はいはい」




オロオロする佳世ちゃんにヨシヨシと頭を撫でる凌ちゃん。


なーんか……




「ねー、佳世ちゃんってホントに空手してるの?」




疑問に思えてきたわけで。


俺は佳世ちゃんに問いかけた。




「うん。一応、してるよ?どしたの?」




佳世ちゃんは不思議そうに返事をする




「なーんかさ、佳世ちゃんって空手より生け花って感じなんだよねー」



「生け花?」




キョトンとして首を傾げている佳世ちゃんの横で、凌ちゃんが深く頷いていた。




「最初は、私もそう思った」



「やっぱり?」



「だって佳世って、ポヤーンとしてるじゃない?」



「してないよっ!」




突然、佳世ちゃんがちょっとムッとしたように言った。


まあ、俺は凌ちゃんと同じ意見なんだけど。