「意外……」



「へ?」




俺の部屋に入った瞬間、佳世ちゃんの口からでた言葉に俺は首を傾げる。




「部屋、綺麗だなーって」



「そう?」



「うん。もっとゴチャゴチャなイメージがあったんだけど…」



「酷いな、佳世ちゃんっ!」




とか言ってるけど、本当は昨日必死で片付けた。

昨日、今日は佳世ちゃんを家に来させるって勝手に目標を立ててたから。

まあ、本当に来てくれるなんてあまり期待してなかったんだけど。

俺の部屋をキョロキョロ見渡す佳世ちゃんを見て、俺は自然と顔が綻ぶのがわかった。




「ねね、あれってアルバム?」



「どれ?」




ひょいと覗き込むと、佳世ちゃんが指さすのは中学の卒業アルバム。


………マズい。


あの頃は怖いものなんて何もなかったからなあ…

その様子がそれなりに容姿に表れてるというか。

とりあえず、今とはまったく違うわけで。


――見せたくねえ…


そう思うんだけど、佳世ちゃんのワクワクした瞳を見たら……




「……見る?」



「うんっ!」




惚れたら負けって言うけど、妙に納得してしまう。