一時同じ体勢でいると、結構冷静になるもので。




「……もっかい告る、か…」




さっきまでの緊張が嘘みたいに冷静になった俺は、元の体勢に戻りつつ呟く。

佳世ちゃんがウチに来たことで、どんだけ好きかわかったし。




「よしっ」




景気づけにパンっと手を叩いた時、トイレから戻ってきた佳世ちゃんが俺に声をかけてきた。




「トイレ、ありがと」



「うん。あ、佳世ちゃん」



「ん?」




ソファーに座ろうとした佳世ちゃんを呼び止める。

佳世ちゃんもさっきまでより緊張感がほぐれてきたのか、少し表情が柔らかくなっている。




「俺の部屋行こ?」



「へっ………?」




俺の突然の提案にきょとんとする佳世ちゃん。

うん。思ったとおりの反応。




「そろそろ母さんたちが帰ってくるからさ」



「あ、そ、なの?」




俺が頷けば、佳世ちゃんも納得したように頷いて座ろうとした腰を上げた。