必ず守るから、だから、笑って



「一応周りに誰もいないことを確認して倉庫入ったけど、敵に見られてる可能性があるからさ、念の為」



巻き込んでごめんね、と律儀に謝ってくる。



逆に巻き込んだのは私の方だ。



水蝶、とは伝えていないものの、私が原因で蒼空が撃たれたことは月霞のみんなが知ってる。



それに、私は守ってもらうほど弱くない。



おそらく晴葵よりも。



これは慢心ではなく事実。



だから私はみんなを守りたい。



「晴葵、私そこら辺の人より強いの。一応護身術
を習ってたから」



またひとつ嘘を吐く。



それがたまらなく心苦しい。



できればもうこの人たちに嘘なんてつきたくない。



けれど、私の計画がバレてしまえばまた誰かが傷ついてしまう。


傷つくのは私だけでいい。




だから私は今日も嘘をつく。



「んー、っていうか、俺が希愛と一緒に登校したいだけなんだよね」



守るっていうのもほんとだよ、なんて後から付け加えられた言葉は私には届かないほどの衝撃的発言だった。