この人のスキンシップは度が過ぎるんだな、と頭に叩き込んだのはその時だ。



あの時はなんだかいろいろなことがありすぎて何も思わなかったけど、よく考えれば恥ずかしいことしかしていない。



しかも会って数日の人たちに対して。



だからなんとなく顔を合わせづらい。



それをなんとかするために、少し早く家を出て、平常心を保とうという計画だ。



「あ、希愛、おはよう。早いね」



「うぇっ!?」



家のドアを開けた瞬間、予想外の人が立っていたせいで変な声が出てしまった。




なに、なんでここにいるの!?


え、いつからいたの!?



「ふは、なにその声。びっくりしすぎでしょ」



手に口をあてながらクスクスと笑っている晴葵。



その笑い方はズルい。



なにも言えなくなってしまう。




少しムッとした顔をしていると、晴葵はクスクスと笑いながらもゆっくりとこっちに来て、あの時のように頭を撫でてきた。


この人は人の頭を撫でるのが好きなのだろうか。