それもすべて最初からお見通しだったのかな。



「みんな…、ありがとう」



晴葵の腕の中から顔を上げ、みんなの顔を見ると、久しぶりに心からの笑顔が自然と溢れ出た。


とても暖かい人の心に触れたからなのかな。




「初めて笑ってくれたね、ひめ」



ニンマリと満足そうに笑ういっくんにはやっぱりバレバレだったみたいだ。



「ひーめ。俺だけじゃなくて、ここにいるみんな気づいてたよー?」



え゛。


そんなに笑顔エタクソだったのかな。




「心配すんなよ姫さん。気づいてんの多分俺たちだけだろーよ」



ほっ…。


よかった。



つい安堵のため息がでる。




本当にとても暖かくて、優しい人が蒼空の周りには溢れているね。



心の中にあった、たくさんのわだかまりが少しずつとれていくのがわかる。



…たった1つ、大きく、複雑な結び目を残して。