そしてその読み通り、現在全国トップの暴走族だ。
「隠しててごめん。俺はここで3代目総長やらせてもらってる」
「僕は副総長だよー」
「俺と吏翔は幹部」
「本当はあと1人幹部がいるんだけど、今日は野暮用があるらしいんだ。また今度紹介するね」
仮説は確信に変わっていく。
みんなは最初に会った時に感じた通り、トップクラスの暴走族だった。
そして多分……。
「そして、希愛がつけているピアス。色違いだけど俺たちも持っているんだ」
晴葵は濃く、澄んだ赤色。いっくんは桜色。透理くんはエメラルド色、四柳さんはシルバー。
みんな同じデザインで、どこにも売ってなさそうな、簡単に作れなさそうな繊細な色。
「蒼空はみんなの仲間だったんだね」
倉庫に入った時から、ううん、正確には3人が転校してきた時から分かっていた。
ここはとても素敵な場所だってこと。
「そーくんは本当に強くて、ここにいる誰よりも早く幹部になったんだ」
「……次期総長だったんだね」
「蒼空は希愛のことたくさん話してくれてたんだ」
「あの日、蒼空から晴葵のところに電話があった」
ドクンっ……。
あぁ、向き合わなければいけない。
思い出したくもないあの日のことを。
そして、蒼空の大切な人たちと。
