必ず守るから、だから、笑って





「いや、そーゆーことじゃないのっ!え、待って。ひめははーくんのことなんて呼んでるのっ!??」



「てるうるせぇ。あとにしろ」



四柳吏翔、さんにバッサリと言われてしまい、誰からみてもしょぼん、という効果音をつけられそうなくらい身を縮めてしまった輝望くんが少し同情してしまう。


「いっくん、って呼んでもいいかな、輝望くん」


そう言うとさっきまでの落ち込みようが嘘かのようにぱぁっと顔が晴れた。


普段ならこんなこと言ったりはしない。


だけど、なんだかこの日は少しおかしかったみたいだ。



あだ名で呼んでくれているから、せっかくならあだ名で呼びたいと思ってしまった。



「うんっ!たくさん呼んでね!」



同級生なのに、その可愛さはどこからくるのだろう。


まぁ、根は腹黒いんだけど。



素直なところもあるんだな、なんて思ったり。




「壱星がごめんね、希愛」



「ううん、大丈夫だよ。それより続きが知りたいな」



「うん。実は俺たち、”月霞”っていう暴走族なんだ。そしてここはその本拠地」



月霞。


私が水煉にいたころでさえ聞いたことのある名前。



当時はできたばかりだったけれど、数年後には私たちとトップを争うことになるだろう、って夕紫が言っていた。