「ごめんねぇ。こいつ目つきが悪いから怖いよねぇー。多分睨んでるつもりじゃないと思うから安心していーよ」
「多分じゃなくて睨んでねぇし」
睨んでいるわけじゃないのは分かっていた。
それより”様子を窺っている”という表現の方が正しいと思う。
「希愛、座れば」
今まで黙っていた透理くんがソファを指した。
女嫌いなのに平然と呼び捨てで呼べるのか、なんて少し感心してしまう。
「うん、ありがとう」
お言葉に甘えて座らせてもらうことにした。
多分、話長くなると思うし。
話し合いになれば、の話だけど。
最後に晴葵が1番大きくて立派なソファに座った。
恐らくあそこが総長の椅子。
「希愛、今まで黙っててごめんね。俺たちは……」
「ちょーっと待って、はーくん!なに、なんで呼び捨てなの!?いつの間に!?」
「いち、今それ重要じゃねぇだろ。俺も希愛って呼んでるし」
