「いや、あの、」
「あぁ、ごめん。早く行きたいよね、行こっか」
「あの!ありがとうっ!」
予想外の言葉だったのか、それとも私が大きな声を出したからなのか、翠咲くんは少し驚いたような表情を見せた。
助けれてくれたから当たり前にお礼を言ったまでのこと。
なんか驚くことあっただろうか、と首を傾げる。
「ふは、そんなこと?妃夢乃さんを守るなんて当然のことだよ」
ドキっ。
え、なに今の。
ドキってなに。
確かに笑顔が可愛いとは思ったけど、ドキって。
変な思考回路を遮るように首をぶんぶんと横に振る。
余計なことは頭に入れてはいけないのだから。
「それより、いつも可愛いけど今日は一段と可愛いね、妃夢乃さん」
「ふぇっ!?」
「ははっ、何その反応。かーわい」
な、なんなのコイツっ。
爽やかな顔して天然タラシなの!?
今日といい、この前と言い、人をからかうようなこと言ってっ…。
調子狂う。
